好きなものを少しだけ食べる

貝原(かいばら)益軒(えきけん)の「養生訓」には食養生に関することがたくさん書かれています。その基本は“これは食べてはいけない、あれは食べてもいい”ということではなく「好きなものを食べる」というとてもシンプルなことです。好きなものというのは身体が必要としているものなのです。

しかし、益軒はいくら好きなものであっても、食べ過ぎれば身体に悪いと注意を促しています。食べ物が豊富にあって、お金を出せば何でも食べられる時代ですから、ついつい好きなものをたらふく食べてしまいがちです。これでは身体も『いい加減にしてくれ』と音を上げてしまいます。

食べ物というのは、身体にとっては異物です。人間の身体は、自分と自分以外のものを区別し、自分以外のものは排除しようという力が働きます。病原菌が侵入すれば免疫力が働いて攻撃を仕掛けます。そのときに熱が出たり嘔吐するといった不快な症状が起こってきます。

食べ物の場合は、異物であっても、すぐに免疫力が反応するということはありませんが、働かないわけではないのです。

アレルギーは免疫の過剰反応です。ひとつには食品添加物や農薬、化学肥料といった化学物質が体内に入ることで、それを排除しようと免疫が働くということが考えられます。

もうひとつが食べ過ぎることによって、本来は働かないはずの食べ物に対する免疫反応が起こるのかもしれません。 そういう意味では好きなものを少しだけ食べるというのは理にかなっています。

食べ過ぎたかなと思ったら、翌日は少食あるいは断食をしてもいいかもしれません。好きなものを適量摂るということを意識した食生活を心がけてください。